中小企業が最高の採用につなげるために大切なことについて書いてみたいと思います。
「売上は拡大しているのに、良い人材が採用できなくて、会社が拡大していかない…」
というお悩みを良くお聞きします。
実際に私が見たケースをご紹介します。
創業5年目にして売上が急激に拡大。お客様からのお問い合わせも毎日のように多数あり、順調そうに見えるあるIT企業。
しかし、実態は売上がどんどん伸びているのにも関わらず、全く人材が採用できずにいました。
すると、創業期から頑張っていた社員に負荷がかかりすぎてどんどん疲弊していきます。
ついに創業メンバーが複数名退職してしまって、一気に会社が傾いてしまったというケースがありました。
しかも業界を問わず、数回見たことがあります。(そうなる前に、ぜひお問い合わせくださいね…)

さて、こちらの記事でも触れておりますが、中小企業が採用を成功させるためには、会社基盤を整えることがとても重要です。
Contents
会社のビジョンへの共感こそが、人材が能力を発揮する鍵
優秀な人材を最高の採用に結びつけるには、「放っておいても能力を発揮して活躍する」環境を整えることが大切です。
このとき、評価制度などが整っている、上司となる人材がしっかりとしている、といった条件も最低限必要ですが、最も重要なのは、採用する人材が「会社のビジョンへの共感」ができるかどうかです。
この会社のビジョンへ共感があれば、人材は情熱を持って能力を発揮していくはずです。
なぜ、そう言えるのかは、ロンドンビジネススクール教授のゲイリー・ハメル(「経営の未来」「経営は何をすべきか」)の研究結果が参考になります。
ビジネスの成長に貢献する能力とは(ゲイリー・ハメル)
下記に、ゲイリー・ハメルの研究結果を引用します。
ビジネスの成果に貢献する能力(貢献度の高い順)
情熱
創造性
主体性
専門性
勤勉性
従順さ
“顧客が毎朝起きて「何か新しいもの、ほかとは違うもの、素晴らしいものはないか?」と考えるような世の中では、企業が繁栄するかどうかは、あらゆる階層の社員の主体性、想像力、情熱を引き出せるかどうかにかかっている。
そしてそのためには、全員が自分の仕事、勤務先やその使命と精神面で強くつながっていることが欠かせない。
レベル1から3は、世界のどこでも雇うことができるので、社員から従順さ、勤勉さ、知識だけしか引き出せないなら、あなたの会社はいずれ経営が傾くということである。
主体性を持った人材は、課題や機会を見て取るとすぐさま行動を起こす。
創造性は、常識に挑戦する意欲を持ち、いつでも素晴らしいアイデアはないかとよその業界の様子を探るような、そんな資質だ。
情熱は、仕事を使命、社会をよい方向に変える手段として捉える姿勢である。このような情熱漲る人材にとっては、仕事と趣味の境界はあったとしてもごく曖昧なものだ。彼らは仕事に自分のすべてを傾ける。
創造性が大きな意味を持つ今日の経済で最大の価値を生む資質とは、ピラミッドの頂点に位置する「情熱」である。大胆さ、想像力、熱意こそが、差別化の究極の源泉である。”
「経営は何をすべきか」(ゲイリー・ハメル著)より引用
ゲイリー・ハメルが言うように、ビジネス成果への貢献度が高いという能力は、“情熱”であり、これは「社会をよい方向に変える手段として仕事を捉えている」ことによって生じるものです。
つまり、会社のビジョンの中に、「社会を良い方向に変える」ことが盛り込まれていなければ、良い人材は情熱を持って働くことができなということなのです。
人材採用では、就職希望者に魅力的なビジョンを提示できてこそ、理想的な採用活動をスタートできるということです。
会社のビジョンに共感して入社した人材は、冒頭でも述べたように「放っておいても能力を発揮して活躍してくれる可能性が高くなるでしょう。
人材採用に失敗をしている場合は、会社のビジョンについて今一度見直してみられることをおすすめします。
優秀な人材の足を引っ張る要素を排除する
たとえ採用活動がうまくいって優秀な人材を得られたとしても、気をつけなければならないのは、職場の中に、人材の足を引っ張る要素があるかもしれないということです。
これらの要素を丁寧に排除し、働く環境を整えることもまた、人材を定着させるために大切です。
優秀な人材の足を引っ張る要素についてとは次のようなものです。
本当にビジョンに沿った仕事だと実感できない
たとえば、環境問題に貢献するという会社が持つビジョンと、社員が持つビジョンが一致していても、実際にやっている日々の仕事が顧客のクレーム対応などで、環境問題への貢献を実感しにくいと感じていることがあります。
このような例に対しては、システムシンキングなどを活用しながら“仕事の繋がり図”を可視化して、自分が担当している領域の重要性を認識しやすいようにすることや、仕事の川上や川下の担当(部署)とのコミュニケーションをとる場を用意し、ビジョンとの繋がりを認識できるようにすることなどが大切になります。
やりがいはあるが、あまりにも給与が低い
人材の給料が低いことは、阻害要因になります。
一般的には、ビジョンへの共感度が高ければ、給与水準がある程度低くても頑張るものですが、限度はあります。
無理に給与水準を上げる必要はありませんが、将来的に上昇していく可能性などを示して、ビジョンを共有できるようにしていくことは重要です。
やりがいはあるが、あまりにも社内の人間関係が悪い
人間関係に対しては、無視せずチームビルディングなどの施策を打っていくべきです。
特にビジョン共感度が高い採用ができ組織ができてくると、逆にそのこだわりの強さゆえに衝突が生じることもあります。
目的やゴールといった「同じ方向を向いている」ことを再確認する場や、逆に個性の違いなど多様性について認識を深める場などを持つことも効果的です。
最高の環境だが、本人のスキルがとにかく低い
多くの経営者は、社員が働きやすいようにという思いやりを持って、最高だと思われる環境を用意してしまうことがあります。
しかし、そのようにしても、社員の能力と仕事の難易度のバランスがくずれてしまっていては、与えられた環境を活かしきることはできません。
環境を整えることが、足を引っ張る要素になってしまいます。
その前に、まずは、本人のスキルにあった業務を通して、スキルアップを図り、人材を調整していくことが大切です。
中小企業における採用課題の解決方法は4つ
いかがでしょうか。
これからのことから、中小企業が採用活動を成功させるために、最低限必要な条件は以下の4つであると定義しています。
・会社のビジョンが共有できているか
・適正な給与水準を設けているか
・社内の人間関係は悪くないか
・本人のスキルと難易度のバランスは適正か
会社ビジョンについては、どの経営者様もお持ちのことと思いますが、社員にどれだけ浸透しているでしょうか。
また、社内の人間関係は本当に問題ないでしょうか。
上層部が知らない(報告がない)だけであって、現場レベルで人間関係が崩壊していたというケースも多くあります。
せっかく採用した大切な社員が離職する前に、できることはたくさんあります。
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